人間を装った悪魔たち

あの時あの事がなかったら今頃はどうなっていたのだろう。 人は新しいものが好きで欲望深くて愛されたくて仕方ない生き物だということを改めて知った。

計画的犯行の始まり

姉がアパートに入居して半年ぐらい経った時。



家族を集めてこう言った。


「長男が登校してる時元旦那が車で送ってってやるか?って声掛けたみたい。長男は断ったからそのまま行ったみたいだけど、連れて行かれたら困るしこわいからここじゃないとこに行きたいと思ってる。」


家族一同驚いた。


元旦那さんの事ではなく、姉が遠くに行きたいと言った事に。


私たち家族は元旦那さんと何年も家族で居たけど、そんな人ではないと思ってる。
無理矢理連れて行くような事はしないと思うと誰もが思った。


それでも姉は頑なに地元から出て行きたいと言う。


今は子供たちの事考えたら、ただでさえ離婚して環境が変わったばかりなんだから学校や幼稚園も変えるのは可哀想だよと家族の意見。


今すぐ離れるとかではなく、もう少し様子見てまた次そういう事あったらにするとかにしたら?と提案した。


姉は煮え切らない顔だったが、とりあえずその場は終わった。


しかし後日警察に行って事情を話して接近禁止令を発動してもらったようだ。


元旦那さんがDVとか虐待してたとかそういう人格だとしたら怖いと思うけど、そんな事一度も聞いた事ないし子煩悩でいいパパでした。
離婚に至ってはほぼ姉のワガママだった気がするし、なんでそこまでしなければならないんだろうと思っていた。


何回話し合いをしても、もう決めたぐらいの強気な姉。


第三者から見たら姉にとって都合のいい話としか思えないけど、姉はあくまで子供達の為と言っていた。


こんな人だったかなと疑ってしまうほどの変わりよう。


私はあの男が全て吹き込んでいると今でも思ってる。
長電話の中で綿密に計画してたのではないかと思う。


それでなければ地元から遥か遠くに離れた所に行こうとなんて絶対に考えてもいなかったと思う。


あの男との出会いが私たち家族をバラバラにした。


私は今でも恨んでる。




・・・良介さんが憎い。

母から女になる

だんだんと窮屈になりストレスを抱えた生活は間もなく終わりを迎えた。



新しい住まいを父が見つけてくれて、家具なども一式揃えてくれたようだ。


父なりに出来る事はやってあげようという気持ちだったと思います。



姉は自分の意思ではないような言動が増え少し人が変わったように見えた。


何でもテキパキ行動して無駄な動きがないぐらいの完璧さ。



元々の姉は割とめんどくさがりで、やってくれるなら誰かやってみたいな感じ。



まぁでもこれからシングルマザーになって3人の子を育てていかなければならないんだし、そんぐらいじゃなきゃ困るか。


姉なりに覚悟を決めて選んだ道だし、責任感持ってやってもらわなきゃね。



そしてアパートでの4人の生活が始まり、私も出来る事はサポートした。





でもすぐに異変。





姉の家に行く前に確認したい事があって朝8時頃メールを送ったが返ってこない。


電話をしてみたらずっと通話中。



2時間待っても同じ状態だったのでとりあえず行ってみた。



電話してる姉。


パジャマ姿でお腹をすかせて座っている子供たち。



ジェスチャーで“ごめん”ってやっているが悪びれている感じがない。



私がとりあえずご飯を作って食べさせた。



子供たちにママずっとあんな感じなの?と聞くと頷いていた。



結局ずっと電話してて終わりそうもないので、昼頃子供たちを連れて実家に行った。



結局姉が実家に顔を出しにしたのは夕方。





本当に何がしたいのだろうか・・・





一番子供達の心を大事にしてあげなければならない時に男と電話ばかり。



この先こんな日々がずっと続くとしたら姉に対しての態度が変わってしまいそう。



どうしても理解しがたい姉の姿でした。

止まらない衝動

裁判もせず示談で話が済み、子供は3人とも姉が引き取った。



住む家が決まるまではとりあえず実家に居候。



この時ちょうど私も実家に居たので一家10人での生活が始まった。



複雑な気持ちながら、息子にとっては賑やかになって嬉しかったと思います。


毎日一緒に居て遊んでくれて私も助かったのは事実。



その日から何週間か一緒に過ごしましたが、姉の行動にだんだん呆れてきます・・・



みんな朝ごはんを食べるのに1階に集まっているのになかなか下りてこない。



見に行くと電話していて



“ちょっと待って”



とジェスチャーしている。



先に食べ始めるがまだ下りてこない。



みんなが食べ終わった頃にやっと降りてきた。



母が姉用にまたご飯を温め直している。



そんな生活が毎日のように続いた。



あなたが離婚してやりたかった事は電話ですか?



子供たちの気持ちになって考えた事がありますか?



その電話より大事な事先にやらなきゃいけない事あるよね?




私がイラッとしたと同時に母も怒っていました。



母が言って少しは控えるようになったけど、手にはずっと携帯を持ったまま。



私はこの辺りから姉の事を見る目が変わっていたかもしれません。