人間を装った悪魔たち

あの時あの事がなかったら今頃はどうなっていたのだろう。 人は新しいものが好きで欲望深くて愛されたくて仕方ない生き物だということを改めて知った。

突然変異

前回からの続きです。



それは突然やってきた。


ガラケーからスマホになり、SNSも日常に普及してきてみんなが食い付き始めた時。


姉は出会ってしまった悪魔と。


当時姉が言っていた。


姉「良介はなんでも知ってる。なんでもしてくれる。早くこんな人と出逢いたかった。」


それからは今まで大事にしてきたものを全て捨て始めた。


子供との会話、家族との談話、寝る時間。


毎日いかに良介さんと繋がっていられるかしか考えなくなった。


晃くんと子供たちがお風呂に行ったのを見計らって良介さんと電話。


買い忘れたものあるから出てくるって言って良介さんと電話。


いつもの倍以上の洗濯物を毎日洗ってその間に良介さんと電話。
↑当時の姉の家は洗濯室が地下にあり密室でした


出勤する車でも出勤してからも帰りの車でも良介さんと電話。


もう姉の毎日の中には良介さんで溢れていて、頭の中は良介さんでいっぱいになっていた。


浮気や不倫している人がバレる理由はなんとなくわかる。
普段しない事したり妙にテンションが高かったり外見にこだわり始めたりするからね。
周りはすぐ気付くのに本人はお花畑に居るからそんな事も考えられない。


バカだよね。


姉も普通の主婦で普通の母親だった。


コミュニケーション能力が高かったので友達もママ友も職場の人達ともいつも楽しそうにしてた。


なんの問題もなさそうにいつも笑ってた。


でも良介さんと出会ってからガラッと変わった。


今まで言わなかった不満も愚痴もいきなり多くなったし、イラついたりすぐ怒ったり、家族と居ても心ここに在らずというのが見るからにわかった。


その理由がだんだんとわかってくる。