人間を装った悪魔たち

あの時あの事がなかったら今頃はどうなっていたのだろう。 人は新しいものが好きで欲望深くて愛されたくて仕方ない生き物だということを改めて知った。

マインドコントロール

朝から晩まで良介さん一色に染まっていった姉。



寝る時間を惜しんでも、仕事中でも、買い物しながらでも常に良介さんが耳元に居る状態。



父の話からしてそれは本当に気力も体力も失われていくほどだと思う。



姉はだんだん正気じゃなくなっていき、生活・仕事全てに支障をきたし始めた。



ある日、寝不足が限界で今日は電話しないで早く寝るねと伝えた時があったそう。



相手からの返事は



「わかった。人の気持ちを考えないで自分の都合で勝手にそうするってことだな?お前がそんな奴だとは思わなかったわ。もう金輪際今までのように関わる事はしない。連絡も縁も切らせてもらう。」



その返事に姉は大慌て。



急いで電話して弁解と謝罪をする。



「素直で可愛いな。やっぱりお前は俺なしじゃいられないな。」



最後には優しくそう囁いていたんでしょう。



さらには電話の時間を確保したいがためになけなしのお金を晃くんに持たせてパチンコに行かせたりもしていた事もあった。



もうここからは止まらない。止めれない。


完全にスイッチが入った狂った女に成り下がった。



※実際にはどう言われたのかはわからないけど、そういう流れだというのは姉本人から聞いたので事実です



あの時の姉ならマインドコントロールされてもおかしくなかった状態だったのかも。


いや、もともと姉は誰かに頼り従い尽くす感じだったから遅かれ早かれそうなっていたかもしれない。



姉からそういう電波が発信されて良介さんのアンテナが受信してしまったんだと思う。



その時の自分の波長に合わせて人が引き寄せられて出会うって誰かから聞いた事がある。


だから偶然じゃなく必然だって。



必然だったとするなら、なんの意味があった出会いだったのか私にはわからないけど。



姉に対しての神様から与えられた罰かもしれない。



どちらにしても人生で一番のハズレくじを引いた事は間違いない。