人間を装った悪魔たち

あの時あの事がなかったら今頃はどうなっていたのだろう。 人は新しいものが好きで欲望深くて愛されたくて仕方ない生き物だということを改めて知った。

この日の後日談

後日母から聞いた話。



私たちが帰って姉がご飯食べ終わってお風呂入ってる時。



良介さんから母に。



悪「お忙しい所すみません。〇〇(姉)どっか出掛けてる感じでしょうか?連絡が取れず心配で。取り急ぎ連絡するように言って頂けますでしょうか。」



すっごいよそよそしくショートメールがきたそうです。



前だったらLINEでフラットな文面できていたみたいだったので。



母「なんかわざと丁寧な言葉使ってきて嫌な感じだよね。連絡取らなくなったらもう他人だってか?w」



見せてもらったけどTHE業務的って感じでしたね。


LINEじゃなくてショートメールなところとか。


それもすごい嫌な人に感じた事でした。



そしてそのメールも電話切ってから1時間とかしか経ってなかったみたいですよ?



何が心配で?


それはヤキモチなの?束縛なの?さみしいの?w



まじ異常すぎですから。




てかお風呂ぐらいゆっくり入らせろや・・・

蘇る悪夢

ごちそうが揃いみんなで食べようとした時だった。



“プルプルプルプループルプルプルプルプルー”


姉の携帯が鳴った。


「あっ、良介だ。」


はぁー。
アイツか。
監視されてんのってぐらいの絶妙なタイミングだったよ。


姉がちょいちょい携帯をずっといじってるのは見て見ぬ振りしてたけど。
ついに電話ね。


姉が席を外す。


ごちそうを目の前に待ったの状態の私たち。


「すぐ戻ってくるでしょ。冷めちゃうから先に食べましょ。」


母がそう言ったので姉の分を気にしながら食べ始めた。


10分



20分



30分



戻ってこない。


この期に及んで長電話ですか?


まぁ子供たちを預けてるんだから色々連絡事項とかはあるだろうけど。
久しぶりに地元に帰って来て実家に来てこっちも色々あるでしょーよ。


簡潔に終わらせれないの?


昔は私も友達や彼氏と毎日のように長電話したけどさ、若くて自由でそういう年頃だからみたいな感じだったよ。


大人になってからはほぼLINEだし電話は簡潔に済ませるよ。


一人の時間ならまだしも他の人が居るなら私は時間とか状況によってはよっぽどな事じゃない限りしないけどね。


自分の状況も気持ちも言えない関係ですか。


家族とはいえ少しは気遣えよ!
ただでさえ胸糞悪いのにお前の食べる分残す事とか考えて美味しく頂けなかったしな!


結局みんな食べ終わりくつろいでる時に戻ってきた。
申し訳なさもなく。


料理冷めてるけどねー。
みんな食べ散らかした後でちっとも美味しそうに見えないしねー。


それでも美味しーい照れとか言って食べてる姉。


あなたにとっての幸せとか時間ってなんですか?


呆れたまま私と息子はそそくさと家に帰った。

まだ続く誘惑

次の日。


めちゃくちゃ憂鬱な気分で起きた。


重い腰をあげて葬儀場に向かう。


姉は息子にベッタリで楽しそうに話していた。
合間に近くのデパートに連れて行ってお菓子やおもちゃを買い与えた。


「おばさんの所来たら〇〇(息子の好きなキャラクター)いっぱいあるお店あるよ!」


「〇〇(息子)可愛すぎる!連れて帰りたい!」


「今度おばさんのと遊びにおいで!なんでもあるし楽しいし長男たちもみんな居るから!」


やめてくれ真顔
息子を誘惑するな!


「えー!遠いし勝手に行ったらダメって言われてるからムーリー!」


日頃から知らない人に誘われたらママにちゃんと確認してね。勝手について行ったらダメだよ!
って教え込んでおいて良かったw


その場所は良い所で楽しいかもしれないけど、悪魔が居るならそこは大地獄だ節分
行く気も行かせる気もまったくない!!


そしてなんだかんだと葬儀が全て終わった。


姉は実家に泊まって次の日帰るとのこと。


夜は実家で出前を取るから私たちもおいでと誘われた。


少し悩んだけど、疲れと悲しみでご飯の支度をする元気がなかった。
ごちそうになってすぐ帰ろうと決めた。


実家のリビングに久しぶりに家族が揃った。


すっごい違和感だったけど・・・


何年か前はこれが普通で心地よかったなんて信じられない。


もっぱら祖父母の話で時間が流れ気まずくなる事はなかった。


そこまでは良かった。



出前が来て料理がテーブルに揃った時にそれは起こった・・・