人間を装った悪魔たち

あの時あの事がなかったら今頃はどうなっていたのだろう。 人は新しいものが好きで欲望深くて愛されたくて仕方ない生き物だということを改めて知った。

蘇る悪夢

ごちそうが揃いみんなで食べようとした時だった。



“プルプルプルプループルプルプルプルプルー”


姉の携帯が鳴った。


「あっ、良介だ。」


はぁー。
アイツか。
監視されてんのってぐらいの絶妙なタイミングだったよ。


姉がちょいちょい携帯をずっといじってるのは見て見ぬ振りしてたけど。
ついに電話ね。


姉が席を外す。


ごちそうを目の前に待ったの状態の私たち。


「すぐ戻ってくるでしょ。冷めちゃうから先に食べましょ。」


母がそう言ったので姉の分を気にしながら食べ始めた。


10分



20分



30分



戻ってこない。


この期に及んで長電話ですか?


まぁ子供たちを預けてるんだから色々連絡事項とかはあるだろうけど。
久しぶりに地元に帰って来て実家に来てこっちも色々あるでしょーよ。


簡潔に終わらせれないの?


昔は私も友達や彼氏と毎日のように長電話したけどさ、若くて自由でそういう年頃だからみたいな感じだったよ。


大人になってからはほぼLINEだし電話は簡潔に済ませるよ。


一人の時間ならまだしも他の人が居るなら私は時間とか状況によってはよっぽどな事じゃない限りしないけどね。


自分の状況も気持ちも言えない関係ですか。


家族とはいえ少しは気遣えよ!
ただでさえ胸糞悪いのにお前の食べる分残す事とか考えて美味しく頂けなかったしな!


結局みんな食べ終わりくつろいでる時に戻ってきた。
申し訳なさもなく。


料理冷めてるけどねー。
みんな食べ散らかした後でちっとも美味しそうに見えないしねー。


それでも美味しーい照れとか言って食べてる姉。


あなたにとっての幸せとか時間ってなんですか?


呆れたまま私と息子はそそくさと家に帰った。