人間を装った悪魔たち

あの時あの事がなかったら今頃はどうなっていたのだろう。 人は新しいものが好きで欲望深くて愛されたくて仕方ない生き物だということを改めて知った。

まだ続く誘惑

次の日。


めちゃくちゃ憂鬱な気分で起きた。


重い腰をあげて葬儀場に向かう。


姉は息子にベッタリで楽しそうに話していた。
合間に近くのデパートに連れて行ってお菓子やおもちゃを買い与えた。


「おばさんの所来たら〇〇(息子の好きなキャラクター)いっぱいあるお店あるよ!」


「〇〇(息子)可愛すぎる!連れて帰りたい!」


「今度おばさんのと遊びにおいで!なんでもあるし楽しいし長男たちもみんな居るから!」


やめてくれ真顔
息子を誘惑するな!


「えー!遠いし勝手に行ったらダメって言われてるからムーリー!」


日頃から知らない人に誘われたらママにちゃんと確認してね。勝手について行ったらダメだよ!
って教え込んでおいて良かったw


その場所は良い所で楽しいかもしれないけど、悪魔が居るならそこは大地獄だ節分
行く気も行かせる気もまったくない!!


そしてなんだかんだと葬儀が全て終わった。


姉は実家に泊まって次の日帰るとのこと。


夜は実家で出前を取るから私たちもおいでと誘われた。


少し悩んだけど、疲れと悲しみでご飯の支度をする元気がなかった。
ごちそうになってすぐ帰ろうと決めた。


実家のリビングに久しぶりに家族が揃った。


すっごい違和感だったけど・・・


何年か前はこれが普通で心地よかったなんて信じられない。


もっぱら祖父母の話で時間が流れ気まずくなる事はなかった。


そこまでは良かった。



出前が来て料理がテーブルに揃った時にそれは起こった・・・