人間を装った悪魔たち

あの時あの事がなかったら今頃はどうなっていたのだろう。 人は新しいものが好きで欲望深くて愛されたくて仕方ない生き物だということを改めて知った。

思い出し①-2

つづきです。



私がどん底にいた頃姉が悪魔と出会った。



最初の最初は良介さんもとても良くしてくれた。


弱ってる私の話を親身に聞いてくれたりアドバイスをもらったりした。



そして日に日に復活して元気になっていく私。


転職するのに必死になり始めた。



そんな時久しぶりにきた悪魔からの電話。


(最初は私も悪魔と番号もアドレスも交換していました)



「俺は使い捨てカイロか!近況報告ぐらいしろよ!」



「ごめんなさーい。最近就活に勤しんでましたー!」



「そんな言うほどか?w就職先なんてたくさんあるんだろ。」



「選ばなきゃありますけど。子供も居るんでなるべく条件良い所と思って探すとあまりなくて。」



「何がそんなに難しいってよ。たかが子供と遊んでるだけで金もらえるんだからどこだって同じだろうよw」




んあ?今なんつった?


子供と遊んでるだけで金もらえるだと??


そんな簡単な仕事ある訳ないだろーが!


お前になにがわかんの?


知った気で居るんじゃねーよ!



沈黙してると立て続けに自分の仕事自慢の話になった。


会話がはいってこなかった。



胸の奥がカーッと熱くなって居た堪れなくなって電話を切った。



私が信念と責任とやりがいを持って全身全霊で頑張っている保育業をバカにされた気分だった。



コイツとは絶対分かり合えないし仲良くなれない。


私が歩む道の脇から石を投げて邪魔をしてくる奴なんていらない。



それから距離を置き始めた。



私は感情が表に出やすいのできっと伝わったと思う。



それでもかまわない。



今思い返しても自分の判断も感情も間違ってないと思えるから。



それでも良介さんを選んだ姉の神経をやっぱり疑う。